大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)223 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人代理人柴田治の上告理由について。

原判決は、被上告人がDダム建設によつてその居宅を失うこととなつたので岡山

県真庭郡a町に移住したが、同町で飲食店を営むため急遽家屋を建築する必要に迫

られ、その建築竣工期限を厳守させる趣旨で、右建築が昭和二九年三月三〇日迄に

竣工した場合にはその資材工法等に約定違背の存しない限り請負代金二〇万円のほ

か特別謝礼金として金一万円を上告人に支払うべく竣工しない場合には一日延びる

毎に金一〇〇〇円の支払を上告人から受けることとしたい旨を申し出でたところ上

告人は之を承諾したこと、上告人はその際約束したことは必ず実行する、約定を書

面にするもしないも同じことだと云いながら所論乙一号証に自ら押印したこと、そ

の他の事実を認定して居るものであることその行文上これを看取するに難くなく原

判決挙示の関係証拠によれば右事実を認めることができるばかりでなく、右建築期

間が同地方に於ける冬期の通常建築所要期間に比して短いものであつたとしても上

告人が特にその竣工期限厳守を承諾するに至つた特段の事情がありその認定に相当

であつたことを看取するに足るのであつて、原判決に所論違法は認められない。さ

れば右点に関する論旨は理由がない。

その余の論旨はすべて、原審の事実認定、証拠の取捨判断を単に非難する帰着し

上告適法の理由にあたらない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で主文のとお

り判決する。

最高裁判所第二小法廷

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裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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